石行寺 【草木塔】工事
2025年5月16日 菩提寺であります石行寺の【草木塔】の建て込みを、石工さんの仲間と共にさせていただきました。
昨年の秋頃にご住職様より、この空間に境内の風景に溶け込むような絵になる石を設置したいとご依頼を受けました。私の方で頭に思い浮かんだのは灯篭と石仏でしたが、ご住職様から【草木塔】はどうかとご提案をいただきました。
実はこれが難しいのです。塔と名前がついてあるので縦長のイメージを第一に思い浮かべますが、その案ですとなかなか良い【絵】にならないのです。
ご住職様の素敵なご提案を尊重しつつ何か良い【絵】になる案はないか?考える時間をお時間を頂戴しました。
そうしてひらめいたのが、この岩波近辺地区から採れる特殊な凝灰岩の赤色の石でした。
石行寺は、龍山信仰の【竜山】の麓に位置をしており、天台宗の【円仁】様も関連しています。
また、石行寺は山形市岩波の地区に位置します。岩、つまり石を連想し【無加工の自然石で】とイメージがまとまり、ご住職様にご提案をさせていただきました。
無加工の石には【草木塔】と文字を彫れないのですが、お檀家さんで墓じまいをなされた方の石を銘板と土台石として再利用させていただくことで、文字を彫る事が可能になりました。
施工の2日間は天候に恵まれました。本堂のすぐ脇での施工なので事前にご住職様にスケジュールをお伝えさせていただき、ご法要と重ならないようにご配慮をいただきました。
800Kgの草木塔の石なので、到底人力では不可能なのでカニクレーン(別名ミニクレーン)を2台併用する特殊な現場となり、仲間の石工さんと足場を作りながらの搬入施工となりました。
またこの石は、その日その日で水分含有量で石の色の濃淡が変わるので、据え付け位置に迷いました。ご住職様にも立ち会っていただき調整を重ね、草木塔石と銘板石の据え付けをいたしました。
また正面の【山川草木石悉有仏性】・【第五十八世 志亮】の文字の彫りは、ご住職様の手書きの文字を使用させていただきました。
後日、芯入れ法要と除幕式に立ち会わさせていただきました。
除幕式の途中ご住職様が「これからよろしくね」と石に向かってお声がけしておられたのが大変印象的でした。
また、ご住職様のお経をお聞きする中で、皆様のお力で無事故で完成出来た事やご住職様の想いが蘇り、万感の思いです。
※【山川草木石悉有仏性】の意味は石行寺様のホームページに記載されておりますので、ぜひリンク先をクリック下さい
0コメント